2008年11月5日水曜日

[VentureBeat] Salesforce.comがMicrosoftについて言及: 「彼らはみんなを憎んでいる」

(原文: Salesforce.com on Microsoft: “They hate everybody”

CEOのMarc Benioffによると、Salesforce.comの戦略は「愛」の一言に集約されるという。もちろんこれは、今日サンフランシスコで行われたDreamforceカンファレンスの席での、アナリストやレポーターからの質問に対する、冗談半分の回答である。しかしながら彼は、いかにしてSalesforce.comがソフトウェアの巨人であるMicrosoftをクラウドコンピューティング市場において打ち負かすか、という点に関する現実的な議論を我々に示した。

Benioffは言う「他にMicrosoftがユーザに提供しているものと同様、新たに発表されたMicrosoftのクラウドコンピューティング向けアプリケーションプラットフォームであるWindows Azureは、結局のところ、人々をMicrosoftの製品やサービスに縛り付けるためのものだ」「一方、Salesforceは、CRMサービスとビジネスアプリケーション構築プラットフォームであるForce.comの両面に関し、よりオープンで協力的である」「Salesforceが関心を持っているのは、複数のクラウドやプラットフォームや機器をつなぐことであり、今日行った『FacebookおよびAmazonウェブサービスとの連携』や『Google Appsとの連携』という発表がこのことを証明している」

Benioffが言うには「MicrosoftとSalesforceを比較すると、彼らはみんなを憎んでいる、我々はみんなを愛している。これは大きな違いだ。我々はMicrosoftのことすら愛している。これこそが我々の戦略の中心にある『愛』というものだ」

観客の一人が、Benioffのオープン性に関する発言は誇大に過ぎるのではないかと詰め寄るとBenioffは、自分が言っているオープン性とは他社との協力性のことであり、オープンソースそれ自体のことではない、ということを強調した。彼はまた、Force.comにクローズドな面、すなわちForce.com上で動作するアプリケーションを構築し、他のプラットフォームへ接続するのは可能だが、そのアプリケーションを他のクラウドへ完全移行するのは不可能であるということについても認めた。

「我々の業界において、コードの移植性は必須というわけではない」とBenioffは言い、AppleのApp Storeを、多少クローズド(今となってはこれも控えめな言い方ということになるが)なプラットホームではあるが、何はともあれ繁盛しているとして例に挙げた。

Benioffはまた、なぜ他のネットワーク、なかでも特にビジネス指向の強いLinkedInといったネットワークではなく、Facebookを最初の提携先としたのかという点について語った。Force.comはそのうちLinkedInやMySpaceとも提携する計画になっているが、ユーザ面およびプラットフォーム基盤と言った面から見て、Facebookを第一とすべきなのはどう考えても明らかだった、というのがその理由だ。

最後にBenioffは、Salesforceが現今の景気後退にどう対応していくかという質問についていくつか取り上げた。共通するテーマは「今後も我々の今持っている戦略にこだわっていきたい」というものだった。例えば、OracleのCEOであるLarry Ellisonが「景気後退によりバーゲン価格で企業を買収する好機が訪れた」と言ったのに対し、BenioffはSalesforceの企業買収計画を変えるつもりは無いと述べた。もう一人の質問者は、Salesforceの拡張アプリケーションを販売するベンダーのうちのいくつかは景気後退により職を失う事になるだろうが、これはSalesforceの顧客にとっては良くない事だと指摘した。これに対しBenioffは、Salesforceは今までずっと顧客にブリッジ(訳注:ソフトウェア間の橋渡しをするもの)を提供することに努めており、ベンダーが職を失ったとしても顧客が損害を受ける事は無いと答えた。

「この件に関する私の考え方は実に単純なもので」と彼は言う。「今のところ、ビジネスの本質に関わる部分の大幅変更はしたくない」

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