(原文: Stop pretending )
開発を進めているふりをするという悪い習慣があることに最近気付いた。開発はもう数ヶ月にわたって続いており、悪癖に陥っていると気付くたびに断ち切ろうとしているにもかかわらず、断ち切るのは著しく困難だった。
私は社内のQueen Beeというアプリケーションを拡張する仕事を続けており、今回の課題は「より容易にJob(ある程度長期の仕事)掲示板とGig(短期単発の仕事)掲示板の実行状況をトレース(追跡調査)できるようにする」というものだった。変更自体は非常に単純なものだったのだが、実際にUI(ユーザインタフェース)を作る段階になるとハマってしまうのだ。
私はどうやら自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回り続けていたようだ。他の製品向けに作った既存の通知用UIを眺め、これをJob/Gig掲示板の通知用UIへと適用するのに必要な変更点について考え始めた。私は今後のUI変更(実はこれは想像上のものでしかない)をサポートするために、プログラム内に潜在するリファクタリング(プログラムの内部構造を改善すること)要素についてまで考え込んでしまったようだ。リファクタリングについて考えるうちに、UIの見た目のインパクトにまでリファクタリングが及び、UIについてまた考えるという堂々巡りになった。うんざりした。
「現実的になれ」というメッセージをほぼ毎日、もう4年近くも吸収し続けているというのに、「真の解決方法は『くよくよと考え込むだけで仕事をしているようなふりをする』ことではなく『実際に手を動かして何かを作る』ことなのだ」ということを忘れてこんな罠にハマるとは皮肉なものだ。私の場合は「椅子に座り、ページのモックアップ(模型)を作り、でっちあげのデータを入れたHTMLファイルをいくつかテキトーに作り、どんな感じがするか眺めてみる」というやり方で解決した。これによりわかったのは、既存のUIやプログラムに手を入れようと考える必要などまるでなく、今回作るものが実は既存のUIとは全く別個のもので、いちから作るべきものなのだということだった。あぁ、なんたる苦々しき皮肉! もともと問題でもなんでもなかった事に丸2日近くの時間を無駄につぎ込んでしまったのだ。
そんなわけで、もし自分が心理ゲームにうつつを抜かしていると気付いたら直ちにやめ、実際に手を動かして何かを作ることだ。「仕事してるふり」というのは害毒だ。飲むなかれ。
訳者コメント: この記事は、同じくJamisが書いたこちらの記事と同様「思い込みという罠」についての警告がベースとしてある。Wikipediaの記述にも見られるように、マネジメントの世界で「ほにゃららcreep」は一般的なものらしい。「3大クリープ」とかあったりするのだろうか。
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