ブラックフライデーになったら
ドアのそばに立ってやる
受け止めてやるんだ
灰色の男が14階から飛び降りるのを
ブラックフライデーになったら
貸した金の全てを取り立ててやる
通りに出てやるんだ
やつらが俺の来た事に気付く前に
ブラックフライデーが来た日にゃ
そういうことになるんだよ
くわばらくわばら
ブラックフライデーになったら
マスウェルブルック峡谷に行って飛び降りてやる
地べたにでかく真っ赤な字で殴り書きしてやるんだ
俺というちっぽけな黒い本の中の単語全てを
心を満たしてくれる事以外には何もしない
靴下も靴も要らない
することといえば
国中のカンガルーに餌をやることだけ
ブラックフライデーになったら
俺はあの丘の上に立ってやる
そういうことさ
ブラックフライデーになったら
自分を埋める穴を掘ってやる
心行くまで居てやるんだ
そこに身を横たえて
弔問客なんざ無視してやる
大司教様は清めの儀式を行う
もし彼が俺の意図を理解しなかったとしたら
その時は放っておくさ
ブラックフライデーになったら
俺は求め訴えてやる
名前を変えてやるんだ
Bad Sneakers
5つあるんだ
耳にするのが我慢ならない名前が
その中には君と俺の名前が
そしてもうひとつ、どっかにいるエテ公の名前が
奥様方が話してる
酷い時代ですわねぇとか
あのおぞましき出土品のことを
マグノリア大通りで
***
まったく、頭がおかしくなりそうだぜ
凍てつく雨を嘲笑い
孤独に苛まれる
ねぇハニー、あいつらいつになったら俺をうちに帰してくれるんだろう
ぼろぼろのスニーカーと
一杯のピナ・コラダだけが俺の友達
のし歩くのさ
電気屋のある通りを
トランジスタラジオを手に
どか買いする金をたんまり懐に入れて
おまえは通りを駆け上がる
あの白いタキシードを着て
息急き切らせて
俺をアホだとでも思ってるんだろう
俺が知らないとでも思ってるのか
谷にあるあの溝は
この俺を埋めるためのものだって事を
***
訳者コメント:
どうやらRed Fridayになりそうな今日この頃、どう見てもワンセットな、このKaty Liedの冒頭2曲を訳さずにはいられなかった。
もう15年近く前、まさにBad Sneakersな私がいた。
クソ遅ぇ98と火の消えたsorcerを捨ててsymdebだけでビットのダンジョンをうろつき、exezipを解き、展開ルーチンをファイルにダンプし、画像ローダからルーチンをcallする。私の86アセンブラの知識はこうして身に付けたのだった。
symdebだけが俺の友達
のし歩くのさ
ポン橋を
エロゲを手に
トレカをボックス買いする金をたんまり懐に入れて
FirebugとXPath Checkerを友にWebのダンジョンをうろつく今の私にとって、当時得た知識はもはや化石でしかない。それでも、あの時と同じときめきが今の私を支えているのだ。
与太話はさておき、いまだに判明していない点がいくつか。普通Radio CityといえばNYのRadio City Music Hallのことだろうが、私にはどうしても片田舎にある電気屋、それも当時人気のあったアマチュア無線関連の品揃えが充実した電気屋が思い起こされるのだ。そうそう、いかにもこんな感じの。
他にも「出土品とは具体的に何?」とか「名前を変えるって何?生まれ変わって洗礼名を変えるとかですか?」とか「Bad Sneakersは人間としての自分と犬としての自分がオーバーラップしているように見えませんか?」とか、いろいろあるんですが、このあたりの内情をご存知の方は是非教えていただきたく、よろしくお願いいたします。
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