2008年11月8日土曜日

[37signals] Dionが示す、良い対談の仕方

(原文: Dion shows how to give good interview

ミュージシャンとの対談の多くは、話よりも曲を聴けというアーティストの意図がモロバレで、骨抜きになってしまうというのがオチだ。しかし、NPR (National Public Radio)ホームページに掲載された『Dionがギター・ロックの巨人達に捧げるオマージュ』というインタビューは、こういったありがちな対談とは正反対のものだ。Dionが音楽について、仲間について話したくてたまらないのだという事を、君はこのインタビューから感じ取るだろう。

Dionの発言なんて興味ないね、と君は思うかもしれないが、まぁ聴いてごらん。魅了される事受け合いだ。実際、このインタビューは「教育を通じてプロモーション(販売促進)を行う」という事に関する素晴らしい実例なのだ。彼は、時代遅れになったレコードをかけるかわりにこのインタビューを通じて、君に何かを与えてくれるだろう。彼はギターを手に幾つか歌を織り込みながら、彼が追いかけてきた音楽の巨人達や練習方法といったものについての逸話を披露してくれる。

彼は "Summertime Blues" をカバーし、3番の歌詞に見られるユーモアのセンスを彼がいかに愛しているかを語る。"Ruby Ruby"(訳注: "Ruby Baby"のこと)に関しては「リトル・リチャーズのおふくろさんが『わかってるねぇ、あんた』と言ってくれて、これはまさに我が生涯最高の賛辞だよ」と語る。Johnny Cashの"I Walk the Line"については、彼がいかにして6回にも及ぶ転調をやってのけているかについて語る。"Born to Cry"については、16歳のころ、シナゴーグ(訳注: ユダヤ教の礼拝堂のこと)のそばを通り過ぎた時に流れてきた祈祷者の歌を聴いて書いたと語っている。彼はこういった逸話について、たったの数分で、流れるように語っている。

このインタビューは販売促進を行う全ての者にとって重要な教材だ。宣伝文句を並べるだけでは、客は耳を貸さない。しかし、客が聴きたがっている話をし、また/そして、何か面白いことを教えてやれば、客は熱心に耳を傾けてくれることだろう。



訳者コメント: Dion DiMucciが"Ruby Baby"をカバーしたのが1962年だから、1948年生まれのDonald Fagenは14歳前後ということになる。厨真っ盛りだ。「Nightflyは青春時代の俺の肖像だ」とDonaldは言っていた。惚れた腫れたはガキの特権、思えば俺も若かったwといったところか。

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