2008年11月2日日曜日

[buzzword] オライリーのクラウド論

[O'REILLY radar] Web 2.0 and Cloud Computing

Hugh Macleodの「クラウドコンピューティングは独占につながる」という議論に対し、まずはエリソンの2週間ほど前の発言やAMAZONのJeff Bezosがクラウド上等と言ってたよといったネタで反論している。

・「クラウドコンピューティングの種類」としてユーティリティコンピューティング、PAAS(サービスとしてのプラットフォーム)、クラウドベースのユーザアプリの3つを挙げて、それぞれの内容について触れている。

・「おいしいところに関する法則」とはクリステンセンからの引用。金のなる木のようなものか。モジュール化とコモディティ化によりおいしい部分がバリューチェインから消えるとき、通常は隣接する部分に新たなおいしい部分が現れてくる、といった主旨。

・ソフトそのものでなく明示的/暗黙的なユーザの貢献こそが重要であるというオープンソース、ひいてはWeb2.0の性質は、クラウドコンピューティングの分散的性質と重なっており、これこそが次なる金のなる木の正体だと主張している。

・この意味で、エリソンの考えるクラウドとはソフトウェアレイヤーの話にすぎないとして、クラウドとオープンソースは巨大な利益をあげる企業を多数生み出す事はないだろうという部分には同意しながらも批判する。

・クラウドこそが新しいルールであり、新しいルールに適応した者が勝つ。エリソンの見当違いはCompaqのような滅び去った巨人のたどった道、もしくはUnisysのように特定分野から手を引けずに低迷する道へと続く。

・データ集積に関するネットワーク効果を生み出すためのプラットフォームを作る企業こそがHugh Macleodの考えるような巨大独占企業の地位を得るだろう。

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