2008年11月17日月曜日

[Dave Winer] もはやオンライン広告は死んだ

(原文: Online advertising is now dead

2008年11月13日(木)by Dave Winer.

人々がWeb広告に依存したビジネスを始めてこのかた、私はずっと言ってきた「長くは続かないよ」と。我々は今やどん詰まりに来ている。

現今の景気後退・不景気から復帰出来たとしても(いつ復帰出来るのか誰もわからないのだが)我々は広告から手を引くだろう。

Webは今後も商用目的で利用されるだろうし、人々もAmazonその他でモノを買うだろうが、広告をクリックして買ったりページにリンクが張られたモノを買うのではなく、今や誰もが行っている検索やみんなの評価といったものを通じて商品に関する情報を捜し出し、買うようになる。

もはや誰も広告を必要としていないし、商品を売るのにはもっと良いやり方があるということなのだ。

商売が干上がってきた時、会社が最初に切り捨てるのが広告というものだし、景気が持ち直した時には広告の事などきれいさっぱり忘れ去られている。企業の成長というものは、商品を欲する人々が目にし、人々が何の負担もなしで入手出来るような宣伝を提供することによりもたらされる。

客に対して完璧に狙いを定められる広告とは、客の求める情報以外の何ものでもない、ということを忘れないでほしい

例を示そう。

先日、カシナート社製コーヒーメーカーのガラス瓶が割れてしまった。Amazonで型番を探し、関連商品(「この商品を買った人はこんな商品も買っています」)を見つけ...あー、あったあった。ガラス瓶が割れてから「今すぐ買う」ボタンをクリックして注文するまで、取引に要した時間はしめて5分。この間、広告の出番は一切なし。

今あるコーヒーメーカーを買ったとき、カシナート社がこんなガラス瓶まで作っているとは思いもよらなかった。もちろんブランド名は知っていたが、広告にはそんなことまで載っていなかったよね? 確かにというわけではないが広告に載っていたという記憶は無い、たぶん他のどこかで広告していたのだろう。こういった従来通りの広告にもある程度の将来性はあるかもしれない。しかし、私がこのブランドのコーヒーメーカーを選んだのは、これを使っている人がこの商品を心底気に入っていると言っているのに対し、他のブランドでは人々はさほど気に入っていないようだったからだ。ホットコーヒーはいつまでも淹れ立ての状態であって欲しいし、そのためなら喜んで割り増し料金を払ってもいいと私は思っている。本来ならば、メーカーはわざと割れやすいガラス瓶を作り交換部品でぼったくっているのだと考えるべきなのだろうが、彼らは私の淹れ立てコーヒーを愛する気持ちをよく理解している。(訳注:だから私はほいほい買ってしまった。わかってるねぇこの会社、ということ)

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