ビジネス運営において成功している人と話し、こう尋ねるとする「最後にビジネスプランについて考えたのはいつ?」まず間違いなく彼らはきょとんとするだろう。
『3つのスタートアップ企業と、その一年』[NY Times]は、設立当初のビジネスプランが現実に直面するといかに無意味になってしまうかという点についての具体例である。
Tina Ericsonは先日、ノースカロライナ州ウィルミントンにあるオンラインのTシャツ販売店、Mamaisms Gearを閉店した。会社運営に関わる重圧に押しつぶされてしまったのだ。「初年度に10万ドルの収入を得るプランについて議論したのがまるで昨日のことのように思える」とEricsonさんは言う。「代償は高く付きました...」
彼女は「めそめそするな」に似た「ママのお小言」というスローガンをかかげることで同社のTシャツその他の製品を広くアピール出来るとの意図のもと、2008年の売り上げを10万ドルと見越していた。彼女はまた、女性向けWebサイトを作ることと、金融サービスに関するコンサルティング会社を始めることを企画していたと話した...
しかし6月には経済成長鈍化の影響を受け、3社のオーナーはともに事業拡大の規模を縮小してしまった。EricsonさんはTシャツを小売店に売り込む事に専念するため、インターネット上に女性向けコミュニティを作り出す事とコンサルティング会社を始める事については断念した。
紹介されている他の2社は現在も存続しているものの、ほぼ完全に設立当初のプランを見直している。会社が集中すべきこと・サービス内容・給料・提携関係といったものを変えたのだ。
もちろん不景気のせいにしても良いだろう。だが、こういったことは、物事が上手く運んでいる時においても、同じくらい的を射たものだ。軍事と同様、ビジネスというものも常に現実に即して方向修正しなければならない。もしこれらの企業の将来予測が1年をはるかに越える長期のものだとしたら、彼らの3年先(もしくは5年先)の予測が以下に無意味であるかわかるだろう。
このことはこんな疑問につながる「ビジネスプランというものが、明らかに現実に即していない夢物語になってしまっているとしたら、その主眼は何であろうか?もしこれらの予測が空疎な状況判断からもたらされたものだとしたら、そんなものに配慮する必要はあるのだろうか?」希望的観測というものは、どうみても真に利益をもたらすものではない。
どうやら大半の人々にとって、ビジネスプランを書く理由は、書かなければならないものと思い込んでいるからにすぎないようだ。彼らはビジネスプランというものが、「現実的な」ビジネスを進め、うまく事を運ぶのに必要なものだと教えられてきた。そして現実に直面すると、そういったものは雲散霧消してしまうのだ。
もちろん将来について考慮する事が助けになることもある。が、それをわかりやすく書いたり網羅的に書いたりするのは馬鹿げている。実際に着手するまでは、自分が何をすればいいのか皆目検討もつかないというのが本当のところなのだ。
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