Macの開発チームは、意思決定をユーザ調査に基づいて行うのではなく、最もユーザを楽しませ喜ばせる選択肢を常に目指しつつ、彼ら自身の判断に基づいて行った。そんな姿勢がMacに個性というものを吹き込んだのだ。
『他に比べてAppleのインタフェースが優れている理由』からの引用。良いユーザインタフェースと「楽しさ」を結びつけたNickの考え方は素晴らしい。ユーザビリティを論じる場で「楽しさ」という観点から語られることはあまり無いし、実は私も「楽しさ」についてはiPhoneでSporeをプレイしてみた時から考えていたからだ。2D Boyのおふたりさんもこの点については多少ながらも気付いているようだ。彼らの作ったWorld of Gooというゲームでマウスを動かしてみるだけで、それがよくわかる。マウスの移動速度や慣性の法則に従って、ぐにゃぐにゃした生き物のようなカーソルがびよーんと伸びたりぺちゃっと潰れたりする。ゲームデザインの詳細に関する良く出来た分析記事であるDavid Rosenによるゲーム紹介を見てみてほしい。
このTechRadarの記事からおいしいところをもうひとつ引用しておこう。「苦痛を伴わないという事と楽しいという事は同義ではない」。言い換えれば、複雑性を取り去るだけでは不十分だということだ。楽しいものにするためには、苦痛を伴うものを含んだ混合物を包み込む、薬の糖衣のようなものが必要なのだ。
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