Kindle 2 の目玉であるテキスト読み上げ機能は、既にデスクトップPCやスティーブン・ホーキング博士が使用している事で知られるボイスボックスに組み込まれているソフトウェアと同じ手法で実現されている。この機能が「動揺」を引き起こしている。作家協会事務長である Paul Aiken は WSJ 紙上で、読者にはテキスト読み上げ機能を利用する権利は無いと述べたのだ。それでは無料のオーディオブックになってしまうじゃないか、というわけだ。
「読者に本を音声で読み上げる権利は無い」と作家協会事務長のPaul Aiken は語った。「それは著作権管理下にある二次著作物であるオーディオの利用権にあたるからだ」
Amazonのスポークスマンは、読み上げ機能はテキストの音声化技術に依存しているので、聞く人がオーディオブックと混同することは無いだろうと述べた。オーディオブック大手である Audible はAmazon の傘下にある。テキストの音声化は既存作品のコピーには当たらないという点についてはひとまず置いておこう。人工的に音声合成されたテキストの読み上げと生身の人間によるニュアンスや感情の込められた読み上げが同じ物であるという馬鹿げた考え方についてもひとまず置いておこう。問題は作家協会が、声に出して読むという行為すらも違法コピーであり公衆送信権の侵害であると主張しているという点にある。
機械が声を出して本を読むのが二次著作にあたるのだとしたら、人間が声を出して本を読む事はなぜそれに該当しないというのだろう?
考え方というものは自身の意図に基づいて器を満たすべく成長するが、悪しき考え方のもたらす問題は、その器に漏れがあり歪んでいるという点にある。たとえ諸君が広範なる著作権法にゆるぎない信頼を置いているとしても、知財という考え方は、己の哲学を正当化するために法という装置を作り直すという理由から、悪しき考え方なのだ。この、功利主義に始まり不磨の大典へと至る道のりは、途方も無いモンスターを産む。このモンスターは複製行為を管理するのみならず、あらゆる表現や文化の持つ意義を管理するモンスターにならざるを得ないのだ。
訳者コメント:
Daring Fireball でこの件を知ったんだけど、ネタとしか思えん。エイプリルフールにはまだちょっと早いんじゃね?
まぁ「知財」なるものがフィクションでしかないというのはもう誰の目にも明らかなのだから、こういったネタを投下して炎上を早めようと言う意図が作家協会側にはあるのかもしれぬ。
んなわけねーw
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