2009年11月5日木曜日

[メモ][石清水八幡宮] 萬象盡蔵一笈中


石清水八幡宮に何本か存在する大楠。そのうちの一本の根元にこの石碑はあった。「ばんしょうことごとくいっきゅうのうちにぞうす」と訓めば良いだろうか。銘から、都山流尺八流祖である中尾都山の書と思われる。名曲『岩清水』にまつわるエピソードにここ石清水八幡宮が登場するが、17歳にして虚無僧修行に出、後に功なり名遂げた都山の若き日の気概がこの言から窺える。

笈という字は芭蕉の、というか川井乙州によるアンソロジーである『笈の小文』で知られている。今風に言えばリュックサックか。西行からこのかた日本文学の一翼を担ってきた漂泊者達の旅の共となってきた。

厨二病に付き物の「自分探しの漂泊」も、それがアウトプットを産むかどうかで世間の評価はえらく変わってくる。「森羅万象全てをこのリュックに詰めこんできたぜ」という厨がかった、というかDQNそのものな大言壮語も、宮城道雄らとともにアウトプットしまくった都山の言となれば妙に納得してしまう私であった。

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