Signal vs. Noise の読者であり JobChoy の創立者でもある Mark Meeus の投稿:
Rodrigo and Gabriela と彼らに関する逸話について諸君が御存知かどうかは私にはわからないが、もし御存知であればこれ以上は読まなくても良いよ ;-)
私が彼らについて諸君にかいつまんで説明したいというそのワケは、彼らが、WEBアプリケーション以外でもあてはまる Getting Real の良い例だからだ。
Rodrigo and Gabriela はメキシコシティでヘビメタバンドのギタリストとして活動を始めた。音楽だけで生計を立てるというのが彼らの人生における目標だったのだがそれは上手く行かなかった。二人ともメキシコシティ音楽院の入試は不合格となり、バンドも思ったほど伸びなかった。
そこで彼らはアコースティックギターのみを手元に残し、残りの機材全てを売り払うことにした。彼らはダブリンに移り、そこでバー・ストリート・地下鉄の駅での演奏を始めた。
最初のうちは Metallica のカバー曲を演っていたが間もなくして物足りなさを感じるようになり自らの曲も演るようになった。
彼らはお金を稼ぐ必要があったので、音楽を「最適化」しなければならなかった。曲を書いたら、それがどの程度の稼ぎになるかを見極めるためにライブでテスト演奏し、ちょっと書き換えてそれがどの程度の稼ぎになるかを見極め、さらにちょっと書き換えて・・・(これって A/Bテストの音楽版だね)(訳注: A/BテストはSEM業界などで知られている手法で、既存のものをA、修正を加えたものをBとして比較テストするという手法)
しばらくして、彼らはお金をやりくりして他の街にも行くようになり、それにつれて、より多くの聴衆と名声を訪れた先々で得るようになった。
2006年にアルバム『Rodrigo y Gabriela』をリリースし、アイルランドのヒットチャートを席巻したが、これはインストバンドとしてはかって例を見ないものだった。
さて、この話のどの辺りが 'Getting Real' なのだろう?
彼らは「ギター2本だけなんて無茶」と説く連中の言葉には一切耳を傾けなかった。
- チーム構成員は2人だけ!
- 外部からの出資は一切なし(今となっては珍しくもないが、彼らは2000年以前にこれをやってのけた)
- ギター2本だけの構成なのでメンバー間の意地の張り合いが普通のバンドよりも抑えられる
- 情熱
- お金もギター以外の楽器も一切無い、という制約
- 彼らの音楽にふさわしい聴衆を集め、聴衆の求める音楽に的を絞った
- 「自分の音楽」というものへのこだわり
- 曲を書いたらすぐにストリートで演奏するという、無茶苦茶といえば無茶苦茶な、テストドリブンな曲作りを武器に出世競争に臨んだ
訳者コメント:
バカテクなのに全然バカテク臭くない。豪快なのに濁りが無いのはミュートが完璧だからですね。エレアコ2本でこれだけシンフォニックな響きを出すには、必要なノイズを積極的に取り込む姿勢が要るわけですが、逆に不要なノイズは極力排除しなければならないわけで、その結果、この完璧なミュートが自然と身に付いたんでしょうね。呼吸するように、当たり前のように精進している人々の好例です。
シメがスペインってのがこれまた。
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