(原文: Examples make the presentation)
ここ数年で私が知ったのは、講演や研修会では具体例を話し始めるとみんなのアンテナがピンと立つということだ。出来るだけ前置きを省略して単刀直入に具体例の話に入ると言うのが私の個人的目標になっているのだが、その理由は、そうすることでムードががらっと変わるからなのだ。具体例をおざなりにすると言うのは「出し惜しみ」というものだ。たしかに諸君の言いたいことを学説然とした形で話すことは可能だが、その学説を確かなものとして人々に印象づけるよう諸君を促してくれるのが具体例というものなのだ。具体例は諸君の言っていることが正しいかどうかを聴衆に見極めさせる。なにより良いのは、具体例と言うものが抽象的概念から混乱と色彩に満ちた現実世界へと視点を切り替えてくれる点にある。
カントの『美的判断力批判』(訳注: 『判断力批判』第一部)をアメコミの画像だけで説明しているこのワールウィンド・トーク(訳注: ワールウィンドつまり旋風のようにしゃべりまくるトーク形式)を目にした際、私は具体例の持つ力というものについて考え込まずにはいられなかった。
カントをこんなにも面白く語れるなんて思いもしなかっただろ?
(ネタ元: Schmüdde)
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