2010年3月3日水曜日

[37signals] アイディアを出すだけの奴なんていらない

(原文: There's no room for The Idea Guy

スタートアップ企業に必要なのは有能で、現実の仕事をこなす意欲を持った人間だ。必要なのはプログラマ・デザイナであり、そのうちマーケティング・サポート業務といった人たちも必要になる。とはいえ不要な人間も居るわけで、それは、単なるアイディアマンになってしまいそうな奴らだ。

どんな奴らかは諸君も先刻承知であろう。「こいつはFacebookとFlickrをかけ合わせたようなものになるわけだけど『犬用』ってのがひと味違うんだ! ネット上にいる犬好きどもの市場のたった1%でも得られさえすりゃ、俺たちウハウハだぜ!」といった口上をまくしたてる奴らだ。アイディアが全てで、たいがいは一文無しで、自分のしょーもないアイディアをカタチにして起業するための実務的技能をほとんど持ち合わせていない奴らだ。

明らかなことだし実際そうなんだが、アイディアマンに堕するのは容易い。彼は諸君にはした金程度もしくはタダで働いてくれと要求するくせに、その見返りと来たら彼の取り分より少ないというのがとどのつまりだ。こんなひどい話はめったにないことではあるけど、それでも彼等の大いなるエネルギーと大いなる夢は、ヤバイくらいに諸君を魅了するものたりえるのだ。うん、私も一度ならずハマった。

実際のところ、大概の人は多くのアイディアを持っているものであり、それは素晴らしいビジネスへとつながりうるものだ。なのに現実にそうならないのは何故かと言うと、それがアイディアどまりで適切な実務がなされていないからである。すなわち何が何でも為すべきことを為すという姿勢が無いからであり、適切なタイミングで事を起こしていないからなのだが、こういったことは前もって予想するなんてことがまず出来ないことである。非の打ち所の無いアイディアなどというものに大した価値はない、というのが本当のところなのだ。

壮大なアイディアやあふれんばかりの熱意なんてものは無用だと言いたいわけじゃない。もし諸君がそういう輩だったとしたら、諸君は既に素晴らしいスタートを切っているんだと言いたいのだ。さっさと実務スキルを持った人間を引っ張り込み、諸君の御大層なアイディアをカタチにする助けとせよ、というわけだ。


訳者コメント:
もし先日頂いたタレコミが本当だとすれば、例の本の関係者の中に、まさにここに書かれているような人物が居るということですな。早川さんに限ってそんなことは有りえないと信じたいんですけどね。そんなことしたら岩波さんにもフネっちにも絶交されるでしょうし。

(2010/03/04 追記)うわぁ、すみません。とんだ言いがかりでした。どうぞお許しくださいー!

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