2010年6月22日火曜日

[メモ] ビットは撒き餌

早速買ったわけですよ『リューシカ・リューシカ(1)』と『男子高校生の日常(2)』

両者ともに素晴らしいという点につきましては、わたくしごときが申し上げるまでもないのでありますが、特にリューシカについては、これはもう万人が読むべき珠玉の一冊だと申し上げてよろしいかと存じます。読む人が何を意識しているかに応じて、ふさわしいシニフィエがページから立ち上がってくるのです。「わからない時はとにかくしゃべれ」という一節から、プログラマーならばコードレビュー、UIデザイナーならばスケッチやモックといった「アウトプット」を通じて新たなインプットを得るというフィードバック的・円環的開発姿勢に思い至ることでしょう。

で、内容についてもさることながら、IT托鉢たるわたくしといたしましては、電子書籍と従来型書籍の幸福な結婚により産まれたこの素晴らしいUXを褒め讃えずにはいられないのであります。ビットメディアで購入モチベーションを高め、紙メディアで通して読んで自らの血肉とするという、ある意味では昔から綿々と続いている黄金のパターンをガンガンONLINEは定着させたんだなという感がわたくしにはございます。ガンガンONLINEに限らず、『千夜千冊』然り『REWORK』然りでありまして、consumerにとってはもちろん、providerにとっても、まさに一粒で二度おいしいウハウハ状態だと申せましょう。

紙メディア全滅とか言ってる間抜けも居るようですが、アーカイビング・推敲・コンテキスト付与・校正といった紙メディアが培って来た編集的土壌は、ビットメディアが持つ低コスト・即時生といった価値とはまた別の価値を持ち、それはビットメディアだけではそう簡単に実現出来ないものであります。よって、紙メディアはビットメディアという良きパートナーを得て飛躍する可能性を掴んだと捉えるのが妥当であります。

逆に、紙メディアのコアコンピタンスである編集的土壌を持たないところはお役御免となるわけで、屍累々阿鼻叫喚はここしばらく続くのでしょう。S学館のアレとか見てるともうね、この内容でどうやって購入モチベーションを高めろと?としか言い様の無い状態ですしね。まぁ、淘汰されるべきはさっさと淘汰されるべしということかと存じます。

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