2010年1月9日土曜日

[37signals] 「2010年は製品作りの年」そして「新しい勤務形態」

(原文: 2010: The year of the products + a new way of working

2010年は製品作りの年

37signals にとって2009年は明らかにインフラ整備の年だった。我々は舞台裏で、ハードウェア・ソフトウェア・セキュリティ機構の改善に多大な作業を注ぎ込んだ。これまでで最大のインフラ整備プロジェクトである 37signals ID も始動した。これは、大計画のうちの最低一つはものにしたというだけのことであり、インフラ整備は決して完了したわけではないのだが、2009年はインフラ整備の最前線における大いなる進展の年となった。

2010年は製品作りの年になるだろう。いくつかある大規模なインフラ整備プロジェクトを裏でこなしつつ、我々はエネルギーを製品改善へとさらに集中することが出来る。我々には新機能・機能統合・UI 設計/再設計・通常業務フローの簡素化に関する素晴らしいアイディアがすでにいくつかある。新製品に関するアイディアもいくつかあり、それに関する調査を進めることにも支障はなくなった。

新しい勤務形態

製品作りにおけるルネサンスの核心とも言えるのが新しい勤務形態だ。過去に於いて、37signals の各員はかなりバラバラ状態だった。みなが自分自身のプロジェクトにかなりの時間を割いていた。いくつかの点に於いて業務の重複がみられ、時には小さなチームとして共同して大物に取り組むこともあったが、業務の大半は自分自身のために時間が割かれていた。

我々にはまた、ちぐはぐな業務指示により人を朝令暮改状態に引きずり込むという傾向があった。ある人に作業Aを依頼した数日後に作業Bへの協力を依頼したり、その後またCというバグの修正を依頼するといった具合だ。これでは集中出来ない。

2010年はこの現状を変えるつもりだ。こんな感じで:

チーム

我々はチーム形式での勤務を開始する予定だ。

チームはデザイナー1名とプログラマー2名の合計3名から成る。必要に応じてシスアドがアシストを行う。

開始にあたって、2つの専任チームと1つの遊撃チームを結成した。遊撃チームは他のチームを支援したり、不測不可避な事態が起きた場合には追加人員を迎えることが可能である。3月には第3専任チームの結成を見込んでいる。

我々はさらに、バグ修正と処理最適化に関して顧客サポートチームと共同作業を行う専任プログラマを1名迎える予定だ。この人物はチームの再編成(これについては後で述べる)ごとに入れ替わることになるだろう。

時間

各チームは2ヶ月間(1ターム)まとまって作業を行う。2ヶ月経過後、チームは解散し別の人員により再結成される。これにより、各人員はこれまでと違う人員と作業を行うことになる。

2ヶ月の期間内に於いて、4回のイテレーションがある。1イテレーションは2週間となる。1イテレーション期間内は、一つのフィーチャーに取り組んだり、小規模フィーチャーをいくつか並行して取り組んだり、完成に数イテレーションを要する大規模フィーチャーの一部として取り組むことが可能である。

各チームは1イテレーション期間を通じ、同一製品について作業することが求められる。よって、チームAが1イテレーション期間を Basecamp に関する作業に従事するよう選択した場合、その2週間は Basecamp に専念することになる。2つのチームが同じ製品に同時に従事することは不可とされている。

もし2週間で作業が完了しなかった場合、そのネタはボツとなる。そういったネタは、別のチームが今後のイテレーションのネタとして拾い上げるか、さもなくばそのまま死に絶えることになる。これにより、1イテレーションの完了にあたって何か新たな売りになるものが出来たかどうか確認するよう、チームが促されることになる。年間を通じて2週間に一度、何か新しいものを顧客に売り込めるようにするというのが目的なのだ。

プロジェクト

チームは、彼ら自身のプロジェクトや我々が常にメッセンジャーで発信している現行プロジェクトのリストに載っているプロジェクトに取り組むことが可能だ。そういったリストを我々は Backpack で保守している。リスト内のアイテムは顧客要求に基づくものもあれば我々自身から出たアイディアだったりもする。プロジェクトには「Highrise のカスタムフィールド」といった未完のアイディアどまりのものもあれば、すぐに実装が始められそうな基本 UI まで揃っていて構想が具体化されているプロジェクトもある。我々は Backpack のコメント機能を使ってアイディアをめぐる議論を行い、リスト内のアイテムにファイルを添付するようにしている。

プロジェクトには一回の施行に付き1イテレーション期間が選ばれる。その選択はイテレーション期間の初日に行われる。イテレーション期間終了後、チームは次のイテレーションで従事するプロジェクトを選ぶことになる。2ヶ月のタームが終了すると一旦チームは解散・再編成され次のイテレーション期間で従事するプロジェクトを選択することになる。あとは繰り返しだ。

プロジェクト管理は Basecamp で行われる。1チームあたり1プロジェクトの割り振りにした。1イテレーション期間ごとにTO DOリストとマイルストーンが設けられる。各チームが考慮すべきは現行イテレーションについてのみなので、よって1イテレーションが終了し次のプロジェクトを選ぶ段になったら、チームは新たにTO DOリストとマイルストーンを作製することになる。2ヶ月タームの終には Basecamp 単体プロジェクトチーム用のイテレーションが全て出揃うことになるだろう。

実験

この勤務方式がどの程度うまく行くか、我々はわくわくしながら結果確認の日を待っている。我々は今まさに最初のイテレーション期間の1週目にあるが、喜ばしい現状を目にしている。アルファチームは Highrise に関する一連の改善に従事する一方で、ブラボーチームは全く新しいプロジェクトに取り組んでいる。遊撃チームは、あるものは Highrise に、またあるものは 37signals ID Launchpad にといった感じで色々なことに取り組んでおり、また BasecampCampfire 向けの新しいネタの幾つかについて考えを巡らしている。

何タームか経過した暁にはまた状況を報告したい。では2010年も諸君に成功のもたらされんことを。

(以上のアイディアは Meetup の Scott Heiferman によりインスパイアされたものである)

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