2009年5月2日土曜日

[37signals] ミュージシャン/発明家は、痒いところに手が届くようなものを自分で作る

(原文: Musician/inventors who scratched their own itch)

Vic Firth 氏はボストン交響楽団でティンパニを叩いていた時、もっといいドラムスティックを作ろうと思い立った。店で売られているスティックは仕事で使うには物足りないので、家の地下室でスティックの製作を始めた。そんなある日、彼は床におびただしい数のスティックをぶちまけてしまった際に、スティックがみんな違う音高を発するのを耳にした。彼がスティックの水分含有度・重量・密度・音高を考慮して、ぴったり同じものをペアにするようにし始めたのはその時からだった。その結果、彼の製品のタグには「完璧な組み合わせ」という謳い文句が記されるようになった。現在は、一日に85,000本のスティックを売り、市場シェアの62%を占めるに至った。

Les Paul 氏がソリッドボディのギターを発明した理由は、バーベキュー会場のお客さんに彼の演奏が聴こえなかったからだ
Goerke's Corner(訳注: ここと呼ばれる屋外で演ってたんだ。ワウケシャとミルウォーキーの間にあるんだが、ここはみんながバーベキューサンドイッチやルートビアといったものを食べるために車で立ち寄るというのが面白いとこでね。みんなに聴かせる為に演ってたんだが、車の後部座席に座っていたある男が私宛に一筆書いて給仕のねえちゃんに渡したんだよ。彼女が渡してくれた紙にはこう書いてあった「おまえは舞台に上がって何をしてるんだ...声とハーモニカは良く聴こえるけどギターの音量が足りねぇよ」。これを見て私は家に帰って考えたんだ、で、私なりのシンプルなやり方ではこういう結論になった「んー、じゃ、ギターについて研究させてくれや」。最初は布切れを詰めてみたんだが最終的に石膏にしたよ。
MUTEK(訳注: モントリオールで行われている音楽フェスティバル)の創設者・監督である Alain Mongeau 氏は Robert Henke 氏がどうやって Ableton Live を思い付いたかについてこう語る:
MONOLAKE(Robert Henke が techno producerとsound artist を務めている)のようなアーチストが良い例だ。例えば、彼は常に頭の中で思い描いている音楽をカタチにしたいと思ってたんだが、実現する手段が無かった。それで彼は本当にがんばってがんばってがんばりぬいて、遂にそういった音楽を制作する為のツールを作り、そのツールは Ableton Live というソフト、ここ10年間にわたり業界に途轍も無い衝撃を与えてきたことが誰の目にも明らかなソフトになったんだ。
以上挙げたミュージシャン達はそれぞれ問題を抱えていた。問題に注力し、解決した。そして彼らは同じような問題を抱えて解決策を求めていた多くの人々を救ったんだということも明らかだ。

我々は偉大なるアイディアを雷のごとき天啓と考えがちだ。しかし偉大なる発明の多くは「何かもどかしい感じ」とでも言うべきものがもたらしてくれるというのが本当のところだ。困ってる原因は何? どうすれば治る? 多くの人もまた解決策を求めているかもしれないよ。

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