(原文: Reminder: Know what you're measuring)
昨日Davidと私は、カスタマーサポート/カスタマーサービスの状況について把握する為に Sarah と Michael をまじえて、ちょっとした打ち合わせを行った。最近我々はカスタマーサポート/カスタマーサービスを Gmail から HelpSpot へと移行したのだが、この変化がどう思われているか興味があったのだ。つまり、ワークフローはどうか?学ぶべき事はあったか?といったことだ。
なぜ移行したのか?
HelpSpot へ移行した理由のひとつは、要望及び問題点が最も多かったジョブトラッキング(訳注: 進捗管理表のようなもの)について改善するため、というものだった。カスタマーサポート担当者から「みんなにとって、今週ぶんの進捗ファイルをアップロードするというのはしんどいことなんです」という発言が出る事があるかもしれないが、この「みんな」というのがくせ者だ。2人なのか? 10人なのか? 何ダースもの人なのか? アプリケーションに変更を加えればサポート需要や顧客の苛立ちを減らせるのか? Gmail ではこういった点についての詳細は把握出来ないが HelpSpot なら可能なので我々は移行したのだ。
知ると学ぶは別物
昨日の打ち合わせでわかったのは、我々は詳細について漏れなくトラッキング(訳注: ここでは、顧客アクションの詳細に関する動向調査と言った意味)する事が出来るようになったが、そこから何も学んでいないということだった。何故こんな事に? 我々はトラッキングの為のトラッキングをしていたにすぎず、何かを学び取る為にトラッキングをしていたわけではなかったからだ。実際のところ、なぜトラッキングをするのかを把握しないまま作業を続けていた。なぜこんなことになったかというと、えーとだな、惰性というものは強い影響力を持つからなんだ。今回の件は、真に必要なことがあるにも関わらずそれを放ったらかして組織運営を進めてしまうことがあるのだという事を目の当たりにしてくれたので、良い勉強になった。
我々の行ったカテゴリとタグの拡張およびカスタムフィールドとプルダウンメニューの導入は我々に多くのレポート然とした情報をもたらしてくれたが、真に役に立つ情報をもたらしてはくれなかった。洞察無き情報はゴミだ。我々が手に入れたのがそれだ。山ほどの。
シンプル性へと立ち返る
といった経緯があって、我々は全てを御破算にすることにした。舳先をシンプル性に向けよう。企業として我々が犯した全ての過ちは、あまりにも多くの事をやってのけようとした点にあるわけで、われわれの力不足が原因というわけじゃない。というわけで今回の教訓を、どうやってサポートリクエストのトラッキングを行うか、という問題に当てはめてみよう。
真に意義があるのは何か?
リクエストの全てについてきちんと分類するのではなく、ごく大雑把に分類するようにしてみる。そのため「マイルストーン>編集>他のプロジェクトにマイルストーンを移動するには?」といった複数階層を持ったカテゴリ全てについてではなく、このカテゴリ階層でいうところの「他のプロジェクトにマイルストーンを移動するには?」カテゴリについてのみトラッキングするようにした。「マイルストーン」「編集」カテゴリでトラッキングする意味なんて無いからだ。階層構造や UI 構成に関する拡張なんて必要なかったのだ。トラッキングする意義があるのは「質問/問題点の報告」という肝心要のところだけだったのだ。
基本戦略は「質問/問題点の報告」が生じた際には「質問/問題点の報告」の内容を言い換える形で新規の長いタグを生成するというものだ。そしてタグと大体同じ内容の「質問/問題点の報告」が他に生じた場合はそのタグでまとまることになる。こうすることでカウントをまとめるとともに「パスワード変更はどうやればいいの?」「プロジェクト間で情報を移動するには?」といった質問をする人が何人いるのかを根本的に把握する事が出来る。
やろうと思えば、今週良く出た質問トップ10といったシンプルなレポートを我々に提出させることも可能だ。同様に、先週のトップ10は? 何かパターンがある? 増えたのは? 減ったのは? というのもありだ。これによって、では我々はどんな手をうつべきか?という行動基準が得られるようになった。前はどうだったかというと「マイルストーン」タグで60個の質問が出ているといった数字は把握出来たものの、我々がその数字を元にどういった行動を起こすべきかという判断には役立たなかった。だが今や「いっぺんに10個以上のマイルストーンを追加するには?」という質問が23個、「プロジェクト間でマイルストーンを移動出来る?」という質問が21個、「マイルストーンに時刻設定出来る?」という質問が16個といった状況が把握出来るようになった。これでようやく顧客の声から何かを学べるようになったのだ。
自明は不明
自明だと思われる事も再検証すべし。我々もスタート時点からそうすべきだったが、他の多くの物事と同様、この再検証作業はほったらかしにされてしまった。今回の新しいツールはあらゆる種類のジョブトラッキング用オプションを備えていた。カテゴリ・タグ・カスタムフィールド・検索・等々。我々はこの新しいツールに夢中になってしまい、結果、熱心に作業する事と優先して作業するべき事を混同してしまった。作業に忙殺されるだけで、何ひとつ学び取っていなかった。
ということで注意書き:目的を明確にせよ。データの為のデータは知的訓練という点においては楽しいものたりえるが、それが実用性のあるものになるのは諸君の吟味を経たあとなのだ。
訳者コメント:
Know what you're measuring. は逐語的には「何を測定しているかを知れ」なのですが、ぴんと来ないので「目的を明確に」と意訳しました。
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