(原文: The next generation bends over)
Intuit の Mint 買収報道にはマジでションベンちびった。
なんでこの件が気になるかって? これはベンチャーキャピタルどもが引き起こす癌、つまり我々が属する業界を蝕み、次世代を担う者達を駆逐する癌の兆候にほかならないと私は考えるからだ。細かい裏事情は知らんが、この買収は Mint の出資者が後押ししたものと思われる。賭けてもいいぜ。
老いぼれた現役に銃を突き付ける新人、というパターンが Mint にはある。銃を突き付けるだけでなく勝利を手にするというパターンもだ。この新人企業は素晴らしい製品・デザイン・潜在能力を持っていた。急速な成長を遂げ、この、収益向上というゲームを知り尽くしていた。彼らは産業の、既得権益者によって死に体を呈するに至った産業の、再構築を行いつつあった。
こういったことは彼らの競合会社である Intuit には皆無なことだ。Mint が創造を進める一方、Intuit にはひとかけらの創造もなかった。世間の人々は慣例と旧習に従って Quickbooks/Quicken(訳注: Intuit の主力サービスのこと)を使った。Mint 製品を使う人々は製品への愛着をもとに Mint 製品を使った。Intuit には不平不満があふれていたが、Mint は未来を切り開く破壊的テクノロジにあふれていた。
にもかかわらず「ここ10年にわたって個人向け資産管理サービス業界に君臨した Intuit が、来る10年も業界に君臨し続ける」ハメになったというのが今回のこの一件なのだ。Mint は業界においてすでに確固たる地位を得ていたが、その地位を1億7千万ドルで売却した。多額の報酬であることは間違いないし、彼らが費やした2年間の目的がそれだというのであれば、上手いことモノにしたなということになるが、私にはどうしても Mint にそういった意図があったとは思えない。Mint の潜在能力を考えればその程度のはした金で買収なんてありえないのだ。
Mint は、この業界におけるゲームの流れを変えることになるであろう次世代企業達の中でも、鍵を握るリーダーだった。今やそれが Intuit の、前世代における典型的企業である Intuit の、所有物となってしまった。何たる損失であろう。ニュータイプにとってこれが最善の選択だと? オールドタイプに隷属することが? じじいどものケツを蹴飛ばすという手はなかったのか? 何だってんだ一体?
素晴らしい製品を送り出している若い企業が年老いた大企業に吸収されるようなことが増えるにつれ、変革をもたらす次の世代の者達が失われていく。我々は知っているのだ、彼らは自分たちの製品がどれほど全世界の顧客を熱狂させることになるかを主張するためにプレスリリースを出す事も出来るし、買収を目指す会社がいかに莫大な資産を自分たちに注ぎ込むことになるかを主張することだって出来るのに、そんなことにはならないのだということを。開発は停滞し、製品の売り上げは失速し、素晴らしい製品を作り上げたスタッフ達は職場を去り、ボンクラだけが職場に居座ってこそこそ這いずり回る。常にそうなるわけじゃないが、大抵そうなる。
Thomas Jefferson はこう語った「周期的な変革が、最低でも20年に一度の変革が、政府の無病息災という健康の観点から見て必要である」と。このことはビジネスにおいて、より真実味を増す。我々に必要なのは新たなる血脈・新たなる企業・新たなるアイディア・新たなるアプリケーション・活気を失った産業に喝を入れる新たなるリーダーなのだ。古いものは新しいもののための肥やしとなるべきだ。
だが現状はといえば、古いものが新しいものを肥やしにしている。いいかげんにしやがれだ。さぁ、築き上げよう、じじいどもに喧嘩を売り、勝利し、我々に続く次の世代が追いつくまで戦場で持ちこたえ、我々全員にがんばれとハッパをかけてくれる偉大なる企業を。たとえ打ち倒されたとしても、何度でも、何度でも、何度でもだ。世の中を良くするにはそれしかない。
訳者コメント:
世界を覆うこの状況下、Jason のこのアジ演説を目の当たりにして、身につまされる思いをする人は多いだろう。
もはや誰もが当事者になってしまった。他人事で済まされなくなったわけだ。新陳代謝を軽視し、麻薬を打ち続けて痛みを誤摩化してきたツケがこのザマだ。
最悪なのは、これに乗じて偽りの変化を世界にもたらそうとする連中がしゃしゃり出てきたこと。目先にぶらさげられた「変化」なるものが麻薬どころか毒薬であることに気付けなくなる程に盲いた国民達の運命や如何に。
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