(原文: Don’t just try to steal a share of the existing market, create a new one)
君の商品に類似したものをこれまで利用した事が無い人々をターゲットにしよう(これは Clayton Christensen が言うところの「今はまだ消費が発生していないところへの参入」というやつだ)。こういった人々はかかえている問題について解決方法がすでに存在しているという事を知らないか、もしくは解決方法を知っていて手を出してみたがひどく高価であったり取り扱いが面倒だったという経験がある。こういった人々は機能の豊富さ等について口うるさく言ったりはしない。きちんと動きさえすればシンプルなものでかまわないのだ。
これはつまり、顧客の初歩的なニーズをきちんと満たすものを作ればマーケットにおいて勝利出来るという事を意味する。高機能/高価格を求める顧客より単純/低価格を求める顧客の方が常に多い。(見本市においては単純/低価格なものは報道ウケがあまり良くないかもしれないが、単純/低価格なものこそ大多数の人々が現実に求めているものなのだ)
3つ例を挙げよう
1. Nintendo は他のテレビゲーム機を利用した事が無い人を狙った。Xbox 360 と SONY の先行機種が共にゲーム経験豊富な玄人ゲーマーに食指を伸ばしたのに対し、Nintendo は初心者を狙った。Wii のコントローラーは3歳の子供でも遊べるくらいにテレビゲームをシンプルなものにした。Nintendo はこれにより繁栄を手にしたのである。
2. Jitterbug は高齢者のために、そして従来の携帯電話は複雑すぎるという点に気付いた人のために作られた携帯電話である。高機能携帯がてんこもりの機能とアプリを顧客に提供する一方で、 Jitterbug はシンプルな携帯を作り続け、顧客の年齢統計動向に注目した。大きなスクリーンとキー、昔ながらの電話のような発信音、音の大きいスピーカー、補聴器とも共用可能、利用に当たって面倒な契約は不要、それがJitterbugだ。
3. アメリカでは半数近い大学生がコミュニティカレッジ(訳注: アメリカにおける短大や専門学校)にも通っている。何故だろう? 学費が手頃である事、入学試験が厳しくない事、通信課程で学位が取得出来る事、看護士・消防士・警察官・救急医療隊員を目指すための学位取得など労働需要に焦点を当てた課程がある事などが理由に挙げられる。これはつまりコミュニティカレッジというものが、もしコミュニティカレッジというものがなければ教室で教育課程を終えるハメになっていたような人々をも生徒として取り込む事が可能なのだという事に他ならない。
もし諸君が既存のものよりシンプルで手頃な代替品を作り出せば、新たな顧客を囲い込む事が出来るだろう。だれかのパイに手を伸ばす必要など無い。新しいパイを焼けば良いのだ。
関連エントリ:How Obama targets nonconsumption [SvN]
2009年10月20日火曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿